「クレイジーコラム」

クレイジーマウンテンがなんとなく思いついたリズム文に
さり気なく絵をつけ
適当なコメントをそえた
なんとも当たり障りのないコラムです。

ではさっそくどうぞ。


                     



その90 「ごっついハラキリ見せるぜよ」

仲代達也さん主演の「切腹」を観た。
切腹というと一般的に
武士らしい名誉ある自決って印象だよな。
わが国のおサムライさんは戦国時代から
ただ首をはねられるより自ら腹をかっさばいて
武人のメンツを保つ方法を選んできたんだ。
だけどこの1962年の映画で小林正樹監督が
いわゆるサムライ道とは真逆の切腹を描いていて
面白かったな。
戦乱が終わって江戸の時代になると
食えなくなった浪人たちの間で
こういったことが流行り出すんだよ。
大名屋敷へ出かけていって
「腹を切りたいから庭先をかせ」と訴える。
屋敷の家臣たちは面倒なことは御免というスタンスだから
金を握らせて帰らせようとするわけ。
この時点でもう面白いよね。
で、ある日井伊家のりっぱな屋敷に浪人がやって来て
腹を切る、と言う。
しかし似たような詐欺に悩まされていた井伊家は
今回ばかりは、ということで
なら庭に準備してやるから切れ、となったんだ。
焦ったのは浪人の方。
病気の妻と子供のために金をせびりに来た結果
本当に切腹する羽目になっちゃった。
さて実際切腹のステージが用意され
介錯人もスタンバイ。
井伊家家臣が見守る中、さあやれという状況になった。
しかも「お前の刀で切って見せろ」とのこと。
せかされて刀を抜くんだけど
本当の刀は金の為に売っぱらってしまって
鞘から出たのは竹光なんだよな。
追い詰められた結果
やぶれかぶれで竹光を腹に突き立てるけど
死ねるはずがない。
舌を噛み切って果てるわけだ。
さてここから浪人の義理の父親である
仲代達也さん演ずる剣の達人の復讐劇が始まるが…という話。
映画はここから更にうまく展開していくから
観てない人はDVD借りても損しないはず。
面白い映画だったものだから
つい現代に置き換えた妄想をしながら観ていた。
不況続きの日本において金に困った人は大勢いるし
ちょっとでもスキがあれば入り込んで
なんとか金を取ってやろうとする人もそこらじゅうにいる。
「ちょっと、こんな危ない冷蔵庫売って、どういうつもり?」
「当店ではそのような…どういったことでしょうか」
「子供が中に入ったら、息ができなくて死ぬよ。寒いし。どうするの」
「いや、そういったことのないよう、ご注意いただいて…」
「ご注意ってアンタ、無責任だね。ツイッターに書いてもいいのかね。つぶれても知らないよ」
(商品券かなんか出して帰すのか。早くしなよ。千円や二千円じゃ帰んないよ)
「分かりました。では今から中に入ってください。死ぬかどうか確認させて頂きますので」
「え?」
「おい、みんな手伝って。お客様をこの中に入れるんだ」
「いや、ちょっと、嘘でしょ。じょうだ、いやだ」
いやー、「切腹」面白かったですねー。
この映画ね、後半の仲代さんと敵役の丹波哲郎さんの殺陣ね
真剣がね、本物の刀ね、使われていたんですねー。
こわいですねー、おそろしいですねー。
そいでは次週もご期待ください。
さよなら、さよなら、、さよなら。





その89 「よい町ジェダイがまもる町」

町内会の夜回り
ホントご苦労様ですよ。
火災や犯罪の防止にね、一役買っていて。
「キーン、キイン」
と拍子木が聞こえてくると
「お、やってるな」
という安心感がある。
それが暗い夜道を回るのに
工事現場のおじさんが振っているあの赤い
変な赤い棒状のライトを点けて
ぞろぞろと歩いて来てさ。
あれがスターウォーズのジェダイの騎士が振り回す
ライトセーバーみたいで思わず笑っちゃう。
雨の日で雨がっぱのフードをかぶったひげ面のジイサンがいて
オビ=ワン・ケノービを想像してニヤニヤしちゃったよ。
かと思うと、見た目しわくちゃでヨタヨタのちっちゃいジイサン。
おい、あんなんで凶悪な窃盗団とでも出くわしちゃったら
どうすんだよと、思わせておいて
実はヨーダのような強力なフォースでもって
手にしたライトセーバーをブンブン振り回して
一瞬で全滅させちゃう。
その後に現れた中年のジェダイは
路上喫煙禁止条例お構いなしにショートホープをふかして
完全にダークサイドに落ちているな、という。
こんな風にわが町を守る老人ジェダイの物話を妄想しながら
そういえば第1作当時すでにオバサン風だったレイア姫が
いったい幾つだったのかと気になった。
調べたら・・・
20歳!
キャリー・フィッシャー!





その88 「燃やし続けて50年」

最近見なくなったよね。
庭先でゴミを燃やす人。
コンクリートブロックの上か何かに
一斗缶やドラム缶をくり貫いて置いた自家製焼却炉で
家から出るくずゴミをガンガン突っ込んでいた。
真っ黒い煙を立ち昇らせて
燃えさかる炎を見つめる目は
なぜかうつろなんだよな。
近所の年寄りが、ぼーっと
何とも言えない表情で火を見つめている姿は
異様だけどね。
でも色彩心理学的にも
赤色は生命力を示すというし
オレンジは活気というイメージがあるみたいだから
ある意味ゴミ燃やしという行為が
「俺はいま火を燃やしているんだ、そうなんだぞ」
と老人たちを興奮させて
「よおし、買い物に行くぞ」とか
「このやろう、物置の片づけをやっちまうぞ」
なんていう行動の活力になっていたという気もする。
当時小学生だった僕も
焼けたドラム缶にキン消しをジューと押し当てて
足の方からゆっくり溶けていく超人をじっと観察するという
謎の行動をとっていた。
火の魔力ですな。
上野動物園のマウンテンゴリラに似た同級生のおばさんが
近所の借家の前で毎日毎日欠かさず
燃やし続けていた光景が懐かしいなあ。
現在は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」というのがあって
原則野焼きは控えましょうという方向。
都内でゴミを燃やしていたらすぐ通報されるんだろうな。
「消防の者ですが、おじいさん困りますよ。こんなところでゴミ燃やしちゃって」
「うるさいなあ、大げさにしおって。帰れ」
「ご近所にも迷惑だし、危ないんでね。消してくださいよ」
「なに!これがワシの活力なんじゃ!三島由紀夫の金閣寺を読んでからこい!糞ガキが!」
こんなじいさんがいてもいいと思うんだけどなあ。





その87 「オバサン怪獣襲来か」

今年も物が次々臭くなる
嫌あな嫌あな梅雨の時期がやってまいりました。
外へ出かけようにも
傘を持っていこうかどうしようかと
迷ってるうちに面倒くさくなっちゃったり。
仕方ねえからDVDでも観るかとポテチの袋を開けたら
映画のいいところでもう湿気ちゃったり。
困ったもんだ。
ところで5月も終わろうとしていたこの前
雨上がりにおもてを歩いていて
大通りの交差点で信号待ちをしていた時のこと。
横からヌッと出てきた葉○瀬太郎みたいなオバサンが
ゴジラ対メカゴジラみたいに真っ白い怪ガスをはいていた。
ものすごい勢いで!
いや息が異様に白かっただけなんだけど
周りの100人以上の雑踏で一人だけだからね。
この時期にそんな変な息をはいているのは。
直前にやけどするくらいに熱い味噌汁でも飲んだか
それとも平熱が異様に高くて
しかも吐く息が湿りきっているとか。
それだったら冬でも加湿器いらずだなあ。
でもそこで俺の喉をうるおした湿気の一部は
オバサンの排気ってことになるのか。
こんな無駄なことを考えちゃうなんて
ああ、梅雨は嫌だなあ。





その86 「燃える巨人と自由人」

「バーニング・マン」をご存知だろうか?
気になったらまずGoogleで検索して見てよ。
いきなり超巨大な燃える人間像とか
全裸でうろつく人々とか
何だか知らないけど興味をそそられるんじゃないか。
これは毎年アメリカはネバダ州で開催される
大規模で変なイベントだ。
ネットにいくらでも説明があるから色々言わないが
ある人は巨大なアヒルちゃんの極悪な像を組み立て
ある人は全身を真っ赤に塗った状態で皆に茶をたて
ある人は股間丸出しで変な車を運転し続けるのだという。
そんなのが5万人も集まって
基地外じみた街をつくるんだ。
あなたの周りに例えば
川原で拾った石に名前をつけたり売ったりしている人。
そういう滅多に出会わないような奇人はいますか?
そんな人たちをギュッと凝縮して5万人と思えば
興味はつのるばかり。
そして貨幣は通じず
それぞれ物を分け合って
しかし危険環境下で毎年死傷者も出し続ける祭り。
これだけでもう行ってみたくてたまらない。
事の起こりは
主催者のラリーという人が昔
女にふられたために
2.4mの木像を海岸で燃やしたところ(は?)
毎年様々なアーティストが集まるようになり
今ではバーニング・マンも32mというとんでもない規模になった。
どんなきっかけだよ、っていうね。
でもこういう懐の深さから
いい芸術がうまれるんだよな。
個性を是とする
いかにもアメリカらしい祭りだ。
そして1週間が終わると全て無に返すんだって。
いいなあ、そういうの。
うちの近所も町おこしのよさこい祭りなんてもういいよ。
どうせ本家高知のパクリじゃないか。
「年に一度の祭りだから何をやってもよい。
日本中の面白い人集まってください。
恥ずかしがらずに自分を表現しましょう」
こういう祭りがあったら是非行ってみたいと思う。


                     



その85 「年貢出せねえ逃げるべか」

しんどい経済情勢にあって
税金滞納者が増えるってのは当然の結果だよね。
特に住民税。
給料天引きならともかくフリーターとか窓口払いの人は
ついつい遅れがちになるんだよな。
といって国や自治体だって財布が寂しいのは一緒だから
遅延金をどんどん課すし取り立てもいっそう厳しいものになる。
預金口座を差し押さえたりもするらしいね。
サラ金の怖いおじさんたちの取立てを逃れる常套手段に
夜逃げというのがあるけど
その夜逃げ先にも未納住民税の通知が来た人がいるというから
市税当局の調査能力はとんでもないよ。
結局逃げ道はないということだ。
そういえばむかし白土三平さんのカムイ伝を読んでいて
武士の圧制に耐えかねた百姓や非人たちが
逃散(ちょうさん)といって田畑を捨てて
他領にみんなで逃げちゃうといった話があったなあ。
お百姓さんが米を作ってはじめて
武士の生活が成り立つわけだから
支配者層にとってこれは大変な打撃だ。
現代で逃散が起こる可能性はあるのかなあ。
「都市部のフリーターを中心とした10万人が
ミクロネシアの無人島に上陸。
集団生活を開始した。
ミクロネシア連邦政府も受け入れの姿勢」
なんて面白いなあ。
でもカムイ伝では正助という優秀な指導者がいたからうまくいったんだよな。
現代の日本にそういう志をもった天才がいるのかどうか・・・





その84 「ツェツェバエさされて鼻ちょうちん」

「ああ、あの人また寝てるわ。1日中寝てる」
職場でも教室でも必ずいるでしょ、そういう人。
ああつまんねえ。
眠くて眠くてしょうがない。
わたくしの意思じゃもうどうにもこうにも・・・
ってことで気持ちいい世界に入っちゃってる。
当然作業の効率に支障をきたして困った人ってことになるから
上司や先生の小言をくらうんだけど
ほとぼりが冷めたらまた居眠りこいちゃうんだから
しょうがないよね。
まあ叱られたにしても
「吉田あ。昨日はエッチなビデオ見すぎたろう。ハハハハハ」
と教室の笑いを誘って顔を赤らめたりする程度かもね。
ところでツェツェバエっていうハエを知っているだろうか?
アフリカに生息する吸血バエだ。
そしてこのハエに刺されてかかる
アフリカ睡眠病っていう世にも恐ろしい病気をご存知か?
感染すると具合が悪くなって不眠となり
最後は死に至るっていうとんでもない病気だ。
以前ウガンダとかケニアでは毎年30万人の患者を出していて
症状が進むと治療はかなり難しいという。
もし日本でこの病気が流行していたらどうなるだろうね。
「おい、さっきから田中があくびをしてばっかりじゃないか」
「困ったなあ。昨日も居眠りしていたのを注意したんですがね」
「なに!昨日も・・・もしかして」
「アフリカ睡眠病!!」
「何してる!早く保健所に連絡だ!!誰も近づくなよ!」
海外ドラマのDVDを見すぎて寝不足が続いた新人の田中君。
哀れその後隔離施設での生活を余儀なくされるのであった。
ああ、日本にツェツェバエが飛んでいなくてよかったね!田中君!





その83 「拭いてもすべるよおばあちゃん」

「幼稚園のバス来ちゃうよ。うんちしてきな」
「いい」
「出なくてもいく!」
「・・・」
仕方なくトイレへ入るけど
いくらふんばっても出やしない。
結局しないまま
「ハイ行くよ!」
ってウチのばあさんに連れられて
毎朝駆け足で家を出たものだった。
で犬猫病院の横の空き地に着いたときには
もう園長が運転するスクールバスが待っていたりして
どうもすいません
とあやまるばあさんを後に出発することもしょっちゅうだった。
でたまに空き地に早くついちゃって
その辺の石ころを蹴っ飛ばしたりしていると
急にウン子したくなって。
何でなんだろうね。
10分前は鬼みたいにきばっても顔を出さなかったのに。
それで内股の足踏みで
「うんち」と言うと
「ほらみたか」とばあさん困り顔。
結局道から離れた草陰でワイルドにすることになる。
そこでばあさんが鼻紙を持っていればいいんだけど
運悪く切らしていたことがあったんだよね。
仕方がないからばあさんあたりを物色して
どこから飛んできたのか薄汚れた手ぬぐいを見つけて
その時はそいつで事なきを得た。
拭けたんだからいいよね。
問題はここからです。
ある日「うんち」、で
ティッシュなし、で
いつもの野ぐそポイントでしゃがんで不安げに待っていると
ばあさんの捜索の甲斐なく代わりのものが見つからなくて
そこへ幼稚園のバスが到着した!
焦った幼稚園児のぼくも辺りを見回して
そん時はもう草で拭くしかねえ、と思ったんだけどね。
あたりは触ったら手が切れる細い草ばっかりじゃないか。
園長やみんながこっちを見て今にも声をかけてきそうな状況。
ああ大変だと、ウロウロしていたばあさんが
何かを発見してぼくのとこへ持って来たのがなんと
・・・
カ○ビーポテトチップスの空き袋!
驚いてばあさんの顔を見たけど
何も言わないばあさんは袋をこっちによこすのみ!
仕方がないからツルツルのもので尻をなでて
半ズボンをはいて急いでバスに駆け乗った。
見送るばあさんぼくとの間に
うらさびしい空気が流れていた。
あのときのばあさんの余裕のない表情と言ったらなかったなあ。
そしてポテチの袋なんかでは絶対に尻を拭くことはできない。
幼稚園に着いてからどうしたとか
そういうことは忘れちゃったよ。
ただあの時、最後に頼れるものは自分しかないという孤独感を
幼稚園児として味わったにも関わらず
その後何度かおんなじ過ちをやったからね。
出るものはしょうがないということだよね。





その82 「魔界のとびらをひらくツリー」

テレビの報道なんかで目にしたことがある
ゴミ屋敷。
臭いしネズミやゴキブリは湧くし見てくれは汚ねえし
周辺住民の悩みの種だというんだけど
うちの近所には少し事情の違ったものがある。
「ゴミツリー」と名づけているんだけどね。
古いトタン屋根のあばら家の前に
両手で抱えるくらいのおけから
折れた傘やら自転車のタイヤ
汚れた赤ちゃん人形とかピンク色のじょうろなんかが
突き出て絡み合って
2メートルくらいのオブジェみたいなものを作っている。
なんだこれは
やたらにゴミをくっつけただけかと思うと
真ん中あたりに「駐輪禁止」
なんて看板を挟んでいたりして
何か訴えかけているのかなあ。
強迫観念の孤独老人がこさえたんだろうか。
それにしてはよくできているじゃないか
と眺めていたら案の定
向こうの方からフタが馬鹿になってパタパタしたラジカセを運ぶ
仲代達矢さんみたいなじいさんが
落ち窪んだ目でギラリとこっちをにらんでいた。
ああおとうさんが作者の・・・と見返すと
避けるように目を伏せてスタスタと行っちゃった。
負のオーラだけをまとった作家だな。
そしてふとツリーに目を戻すと
背筋がゾクッとしたんだよな。
ちょうど空も暗くなって
雷でも鳴りそうな。
そして一閃とともにツリーから魔界のとびらが開く・・・
ああなんか寒気がするわ。
このツリーの前に自転車放置なんてしたら
地獄までサイクリングとかいう事になるんじゃないか。
魔界のツリーがある以上
ここら辺に自転車とめるのだけはやめておこう。

そうかそういう事か。
東京都も監視員に見張らせるような面倒はやめて
このじいさんに駅前駐輪防止ツリーの製作を依頼すればいいのに。





その81 「牛丼御前に腹を切る」

食事の仕方というか癖というのが各々あるよね。
クチャクチャ噛むとかズバズバすするのは嫌がられるし
水を何倍もおかわりする人もいれば
1滴も飲まない人もいたり。
女の人はよく片手をお釈迦様みたいにして
テーブルのふちにかけていたりね。
そういう僕も食事中常につまようじを使う。
ちょっとでも歯に挟まっているのが嫌なんだよ。
まあそれはさておき
このあいだ牛丼屋ですごい癖を見たよ。
南海キャンディーズの山ちゃんみたいなサラリーマン。
「豚焼肉定食ですねかしこまりました」
と食券を渡した後おもむろに
紙ナプキンを目の前のカウンターにサッと広げ
その上に箸をスッと真一文字に置き
もう一枚の紙ナプキンを最初のナプキンの横に添えて
目を閉じて静かに豚焼肉を待っているんだ。
昼時のやかましい店内で
静寂の空間が切り取られたようでね。
まさに身を清めた侍が切腹を待つ
そういう作法に思えたよ。
フライングでサラダが来ようが味噌汁をつがれようが
微動だにしない。
腹を切るその瞬間(豚焼肉)をただ待つのみなのだ。
ラストサムライ!


感想お待ちしてます。 →掲示板へ

                     


Copyright (C) 2009 - Crazy Mountain.com   All Rights Reserved.